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2016年04月04日 GEW ゴルフ業界

女子プロの写真撮影は一切NG LPGAが発表した新ルールとは?

 

「今年からプロサービス規定に『トーナメント会場内での如何なる場所においても、カメラ・ビデオカメラ等を使用( 撮影) することはできない』旨を追加しました」

今年1月21日に行われたプロサービス登録説明会の中で、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)のこの発言が、業界各社の波紋を呼んだ。

 

例えば、これまで各メーカーが優勝リリースを配信する際、トロフィーを掲げたプロの写真をカメラマンから購入または譲り受けてきたし、練習日に契約プロの画像や動画を撮影し、SNS 等で発信してきており、少なからず国内女子ツアーの盛り上がりに貢献してきたはずだ。

 

ここで思い出すのが、LPGA が昨年7月に世界最大級の写真通信社であるゲッティイメージズと結んだ公式写真エージェンシーの契約。一部からは

「LPGAが金儲けに走っている」

という声も聞こえてくるほど、反発は加熱している様子。

 

ここで事態を整理すべく、LPGA の事務局、TPD 事業部の鈴木孝之課長に話を聞いたので紹介しよう。

 

新たな規定が加わった経緯は?

「従来から、トーナメント期間中の選手の肖像権はLPGA に帰属します。当然、使用する際にはLPGA の承認が必要となります」

 

海外の事例を参考にしているのか?

「海外の状況を参考にしつつ、日本オリジナルのあり方を検討していく予定です。今回はまず、権利の所在をはっきりさせたかったのです」

 

すべての写真をゲッティから購入しなければならないのか?

「スポーツ報道目的であれば、従来通り派遣されているカメラマンが撮影した画像を使用できますが、メーカーの優勝リリースや広告など、商用目的の場合は肖像権料が発生します」

 

レッスン記事はどうなるのか?

「大会に事前に企画内容を申請していただき、承認されればこれまで通り可能です」

 

SNS上で契約プロ情報を発信しているメーカーも多々あります。

「SNS の活用頻度が増えていますので、自社HPまたはSNS 用としてトーナメント出場契約・使用選手応援またはトーナメント告知のための写真撮影については、大会が許可をすれば、練習日に限り撮影可能とします」

 

反発の声も聞かれます。

「協会にもそういった声は来ています。女子プロの魅力をそがないようなルール作りを目指したいと思いますので、都度、ご相談いただきたいです」

 

欧米とは異なり、権利関係が整備されていない日本では、あまり馴染みのない肖像権だが、今回のLPGA の動きは、こんな背景があった。

ちなみにゲッティから写真を購入する場合、1点あたりSNS での使用に1万6000円、HPでの使用に4万8000円、配信先メディアでの使用権含むリリース配信で13万6000円、広告使用で4 万円以上となっている。高いか安いかの判断はメーカー次第。

 

ルール変更1年目にあたる今年は、現場での様々な混乱が予想されるが、権利ビジネスはLPGAの重要な収入源でもある。今後の対応により、LPGAの真価が問われる。

 

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